SOXが4%急落したらSOXLを買うべきか
QUESTION / まず考えてみる
SOXが4〜4.5%下がった日にSOXLを買えば、3カ月後に資産が約1.5倍になる?
画像の平均値だけでは判断できない。損失の頻度と大きさ、買える価格、集計期間を確かめる必要がある。
SOX指数が前日比4〜4.5%下がった日にSOXLを買うと、3カ月後の平均リターンはプラス48.7%。提示された図には、過去40回の購入についてそう書かれている。任意の日に買った場合の平均はプラス17.3%だ。ただし、集計期間や売買価格の決め方は示されておらず、この数字は再計算できない。
平均48.7%からは、勝率が分からない
平均は少数の大きな上昇で押し上げられる。たとえば40回のうち多くが損失でも、一部の急騰が大きければ平均はプラスになる。「平均で約1.5倍」は、買うたびに1.5倍になるという意味ではない。
まず知りたいのは、40回それぞれの損益だ。利益になった回数、真ん中の成績(中央値)、最も大きな損失、保有中にどこまで下がったかを見たい。急落が続いた日は複数の購入時点から同じ反発局面を数えることもあり、40回を独立した40の機会として扱えない可能性がある。
「任意の日」との比較も条件をそろえる必要がある。急落は特定の相場環境に集中しやすい。景気や金利、半導体業績の見通しが違う時期を混ぜると、差が急落後の反発によるものか判別しにくい。
SOXとSOXLは、同じ指数ではない
SOXはNasdaqが算出するPHLX半導体指数。一方、SOXLが現在目指すのはNYSE Semiconductor Indexの日々の値動きの3倍だ。似た分野の指数でも構成や比率は異なる。SOXが4%下がったことを、そのままSOXLの対象指数が4%下がったこととは扱えない。
しかもSOXLの対象指数は2021年8月ごろ、PHLX半導体指数からICE半導体指数へ変更された。長い期間の成績を比べるなら、この変更をまたぐかも確認したい。
「3倍」は3カ月のリターンではない
たとえば対象指数が100から90へ10%下がり、翌日に約11.1%上がって100に戻ったとする。手数料などを除き毎日ちょうど3倍動く商品なら、100から70へ下がり、翌日に約93.3まで戻る。指数は元どおりでも、商品には約6.7%の損失が残る。上下を繰り返すほど、この影響を受けやすい。
買いの根拠にするなら、何を確かめるか
まず40回の発生日と集計期間を入手する。SOXの終値で急落を判定したなら、その終値を見てから実際に買える翌営業日のSOXL価格を使う。分配金と株式分割を調整した価格で、3カ月後の損益を計算し直す。売買費用も差し引く。
次に、平均だけでなく中央値、損失になった割合、最大損失を並べる。急落幅を3.5〜4%、4.5〜5%に変えても傾向が残るか、前半で見つけた条件が後半でも通用するかを調べる。SOXLだけでなく、レバレッジをかけない半導体ETFとの比較も必要だ。
最後に急落の理由を分ける。需給による一時的な売りなら反発の余地がある。一方、半導体需要の鈍化が原因なら、企業の受注と利益の見通しが下がり、株価も戻らないかもしれない。該当日の前後に出た半導体大手の決算資料で売上高、受注・出荷、利益率、次四半期の会社予想を前回と比べたい。
急落後の反発は検証する価値のある仮説だ。しかし、現状の図から「一括買いが極めて合理的」とまでは言えない。まず40回の明細と売買の再現手順を確認し、損失の側も含めて判断したい。
確認方法と限界:投稿のキャプチャにある数値を読み取り、指数提供者、SOXLの運用会社、米SECの資料と照合した。元の投稿URL、投稿日、40回の対象期間と個別の損益データは確認できていない。プラス48.7%は独立に検証した値ではない。
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着想元:@kashin_moneylabの投稿(キャプチャ、投稿日未確認)(URL未確認)