Market Daily / 深掘り

AIがAIを改良すると、半導体株は上がり続けるのか

QUESTION / まず考えてみる

AIが次のAIの開発を手伝うなら、半導体株を長く持つ理由になる?

答え

それだけでは足りない。AIの利用、半導体企業の利益、今の株価を順に確かめる必要がある。

発端にあるのは、「AIがAIの開発を速めるなら、半導体の需要は続く。短期の株価に振り回されず、需要と企業の技術力を追いたい」という見方だ。筋は通っている。ただ、技術が進むことと、今の株価で買って利益が出ることは別の話になる。

RSIは「AIの改良にAIを使う」という考え方

ここでいうRSIは、株価の指標ではなく、Recursive Self-Improvement(再帰的自己改善)のこと。たとえば、今のAIが次のAIの学習方法を提案し、研究者が採用した結果、新しいAIの性能が上がったとする。その新しいAIが、さらに次の学習方法を見つける。改良の手伝いが次の改良につながる、という循環だ。

ただし、「AIが研究者を手伝う」と「人の判断なしに次々と高性能なAIを作る」は違う。前者が始まったからといって、後者によって半導体需要が加速すると決めつけられない。

実際に起きているのは、研究の一部を助けること

Google DeepMindは2025年5月、AIを使って学習に関わる計算方法を改善し、Geminiの学習時間を約1%短縮したと公表した。AIがAI開発に役立った具体例だ。解かせる課題や成果の採用には、まだ人の判断が入る。

OpenAIも2026年9月、AIは研究の一部を速めているが、人の主導なしに改良を繰り返すRSIは、まだ起きていないと説明している。「研究が速くなっている」は観測できる。「人によるばらつきがなくなり、AIが自力で進歩し続ける」は、まだ仮説だ。

AIが進歩しても、半導体の売上が必ず増えるわけではない

半導体株を考えるには、次の道筋を順に確かめる必要がある。

AIの性能が上がる → 利用が増える → 必要な計算の総量が増える → 設備投資が増える → 半導体企業の受注と利益が増える

途中で道が切れることもある。先ほどのGoogleの例では、同じ学習をより短い時間で終えられた。これはAIの進歩だが、同じ量の仕事をするだけなら、追加の半導体は少なくて済む。使う人や用途が大きく増えて初めて、効率化を上回る新しい需要が生まれる。

半導体が売れても、製造費用や競争によって利益率が下がれば、株主に残る利益は伸びにくい。需要の拡大と企業の利益は、別々に確認する。

株価を見るときは、最後の一段を忘れない

需要そのものは大きい。NVIDIAが2026年8月に発表した2027会計年度第2四半期決算では、データセンター売上高は890億ドル、前年同期比117%増だった。ただし、これはAI向け需要を含む売上であり、RSIによって増えた金額ではない。

さらに、良い事業でも、将来の成長を見込んで株価が先に上がっていれば投資成果は小さくなりうる。長く持つ理由を探すなら、次の三つを分けて見る。

  1. 需要は続くか。クラウド企業の決算で、AIの利用・売上と設備投資がともに伸びているか。
  2. その企業は稼げるか。NVIDIAなら、次の決算でデータセンター売上高を前回の890億ドルと比べ、売上に対する粗利益の割合も確認する。他社なら、その企業自身の受注と利益率を見る。
  3. 株価に織り込まれていないか。たとえば利益の見通しが1割上がる間に株価が2倍になったら、期待どおりに成長しても株価は伸びないかもしれない。

RSIは半導体需要を考える出発点にはなる。長期保有の根拠にするには、AIの利用が増え、その企業の利益に届き、今の株価でも見合うかを確かめる必要がある。

確認方法と限界:X投稿のキャプチャを起点に、AI開発企業の公表資料とNVIDIAの決算を照合した。引用のさらに先にある投稿全体は確認できていない。RSIの将来の実現時期や、それによる半導体需要の増分は分からない。

AIで深掘り

記事のURLと問い・答えをAIに渡します。AIが記事を開けない場合は本文を貼ってください。

質問全文を確認

着想元:@pataQKVの投稿(2026年10月10日) ↗